ストレートネック(スマホ首)
- 長時間スマホなどを使っていると首のあたりが痛くなってくる
- ストレートネックだと言われた
- 長い間じっと見ていることが多い
- 自律神経の影響でめまいや頭痛がある
- 慢性的な肩こりである
ストレートネックとは
最近、ストレートネックと肩こりに対する関心が高まってきています。
これは、スマートフォンの普及が非常に大きな影響になっていると言えます。
また、スマートフォンはかなり広い世代で使うようになり、今まで肩こりというものは事務作業の方中心のものと理解されていましたが、
事務作業をしない若者や小学生くらいの児童まで、広い範囲で肩こりを感じる人が多くなっています。
原因の一つとして
首の形、ストレートネックが原因でなはいかということで、ストレートネックと肩こりの関係が見直されてきています。
そもそも、ストレートネックですが、
以前は生まれながらの首の体質と考えられていました。最近では首の形というものが体の全体、脊椎全体のバランスから出てくる二次的な形とわかりました。
20代では、男性では15%、女性では30%にストレートネックと言われています。
特に頚椎の前弯が少なくなっているストレートネックの方は、前屈みの姿勢のときにはストレートネックというより、むしろ逆反りした後弯の形になっています。
首が逆反りしてしまうと、首を支えている後ろの伸筋群、首の後ろについている筋肉が過緊張の状態となります。
そうすると、筋肉の緊張によって、筋肉の中を走っている血流が阻害されて筋阻血になり、その結果、筋肉内に疲労物質、痛み物質が蓄積し、それがまた新たな筋肉痛を起こし、筋緊張を高める。こういった負のサイクルが肩こりの慢性化につながるわけです。
パソコンとスマホの違い
スマホ独特の問題点として、
スマホを使うときにどうしても体の前方で扱うことが多くなります。
そうなると、首だけではなく、背中から首にかけて全体的に丸くなり、
加えて、手を前に伸ばすことで肩甲骨自体が広がってしまう。
それが慢性化すると、肩甲骨とあばら骨、肋骨との間が癒着してきて、不良姿勢がさらに慢性化…
長い間じっと見ていることが多いというのも一つの特徴です。
ヒトの体はある程度頭の重さを支えるのに十分な力があったり、
昔の人は今の人よりもっと重いものを持ったりしていて、むしろ首とか肩に大きな負担をかける生活をしていた。
今なぜ現代でこのような肩こりが増えているかというと、長時間同じ姿勢にしているという
「動かない」
ということが非常に大きな原因になっています。
動物は動くようにもともとできているようで、
動かない姿勢を長く続けてしまうと、いくらいい姿勢であっても、
そこの部分に浮腫、むくみ、循環障害が起こってきます。
それが常在化してしまうと、そこの負担のかかった部分が線維化、慢性化して、
動きの悪いような状態になってしまいます。
パソコンとか読書などでも同じような姿勢を取ることがあるかもしれません。
しかしスマホのほうが長時間同じ姿勢を取っているということはありえます。
夢中になってしまうと、
ちょっとした不快感に気がつかないで、その姿勢を続けてしまうこと…
こういったものが進んでいきますと、
気分的な変調を招くということもありうる。
初期では単なる首や肩のこりとか痛みだけだったはずが、
それが慢性化してしまうと自律神経の障害を併発し、
めまいとか頭痛とか吐き気、さらに悪化すると精神的な変調、抑うつになって、
例えば仕事をしたくなくなるとか、意欲が出なくなったりとか、そういったことになります。
重症化する前に対処することも重要です。
ストレートネックの対処法
まずはスクリーニングとして、
痛みの部位と、痛みの部位のあった部分のレントゲンを撮ることが多いと思うのですけれども、
多くの場合、肩こりは疾患からなるものは少ないので、医療機関に行くと、異常がないといわれることが多いです。
ただ、患者さんにとっては、
疾患から来る異常がなくても、日常生活でたいへん不自由な思いをされている方が多いので、
このような状態がなぜ起こるか、
日常生活の中でどのような工夫でそういったことを解決していくかという道筋をおつたえします。
スマホとの正しい、よいつき合い方をして、
長時間同じ姿勢で不動化してしまったり、さらにスマホを使うときに大きな精神的なストレスのある状態で夢中になったりしますと、
自律神経の失調をきたすことになるので非常に注意が必要かと考えております。
ストレートネックの治療法とは
原則として疾患ではないので、
薬物療法というよりは徒手療法と運動療法が一番重要なポイントです。
頚椎だけでなく、骨盤から背骨を中心に前後左右の筋バランスを整え、頭のポジションを正しい位置に整えます。
そのため、直接さわって、その体の状態を確認し、
関節可動性が低下している箇所を特定し、関節の矯正し筋硬結(コリ)を取り除いてきます。
運動療法の一例では、
首を支えている筋肉の多くは肩甲骨、肩から来るので、首を支えている筋肉をより多く動かすためには、肩甲骨を寄せる、肩を動かす運動が非常に重要になってきます。
当院での運動療法は、
患者さま一人一人にあった適切なアドバイスをおこない、
無理なく効果的な方法を提案いたします。